やまない尿もれはない。


by lofibox2
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シング ア ソング



 こういう「カラオケスナック」の形態を保って営業している店は、銀河系では珍しくなった。

「雑踏が煩わしく、虫の音では物足りない」。定期的に訪れるそんな夜に、私はカラオケスナックを訪れる。どこの誰とも知らない人間が、それぞれのスター像を自分に憑依させて気持ちよさげに歌う姿は、場末のバーや騒がしい呑み屋よりも、より確実な「非日常」を与えてくれるからだ。

 この日、ステージに上がっていたのはどうも人間ではないようだったが、歌っていたのはキッズウォー暦30XX年代に大流行した往年の名曲、「数学じゃないのよ恋は」だった。

 つい先日、クメハヅラ星のオグラモヅラ教授が発表した、「インド式数学における、記念日SEXの費用対効果」という論文が注目を集めているようだが、たとえ何千年が過ぎ、どれほど科学の進歩が我々の想像を超越しようとも、人間の心模様まで数字で解析しようなどとは思い上がりも甚だしいと私は思う。

 実に爽快な、いい歌いっぷりだった。惜しみない拍手を送る私に、少しだけ等身大の現実に戻った彼女は、照れながら店の奥へ消えていった。
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# by lofibox2 | 2007-10-30 00:10 | PSU

『片棒』

 「兵糧庫を占拠して、武器を手に入れるといい。」

 アタクシもね、そりゃ困惑したもんですよ。練兵官殿がこう教えてくれたもんですからね、勇んで兵糧庫に乗り込んでみたらば、そこに在るのは米俵、米俵、米俵。辺り一面米俵しかありゃしない。

 ここで武器を手に入れるってえと、もうその米俵しか無いもんですから、しょうがねえってんでヨイショッと一俵担ぎ上げて敵兵に殴りかかったんですがね。これで士気がドンと下がるんですな。

 なんたってあなた、指揮官の武器が米俵ってのはこれ、笑えないですわ。どう斜め見してみても武器に見えやしない。36度も、55度も、127度も駄目。気が動転してそこらにあったもんを担ぎ上げてみましたってな解釈が自然で、そうなるともう、武器ってえより凶器じゃねえかってな事で。ええ、ええ。火サスです火サス。消火器、灰皿。そう、あと金属の置物ね。ああいった類の。

 いやね、それで何が言いたいのかって事なんですがね、見てくださいよこれ、この格好。米俵担いでおろおろしてる所を夏侯惇将軍に見つかって、なめてんのかって話になって。そしたらそれを見ていた夏侯淵将軍が、おめえ似合ってんじゃねえかとか言っちゃって。終いにそれが殿の耳に入ったもんだから、衛士から兵糧運搬の人足に格下げですよ。適材適所だかなんだかでね。

 ええ、そうですそうです。後から分かったんですがね、やっぱりその練兵官もいんちきな野郎だったんですよ。そうやって米俵を持ち出させてまんまとかっぱぐ、何とも大胆な米泥棒だったって事で。ま、とどのつまりは「まんまと担がされた」って訳ですな。 
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# by lofibox2 | 2007-06-05 15:13 | 真・三国無双BB

アラド戦記レポート

     「いくら家計が苦しいからって泥棒していいって法(道理)はないだろ」
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                「英作、長子さんとは別れなはれ」
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           「眞!おばあちゃんに向かってなんてこというの!!」
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                「だってしょうがないじゃないか!」
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                「母親の教育が悪いせいだよ!」
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               「わたし、おかくらに帰らせて頂きます!!」
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           「まったく、娘5人も嫁にやるとろくなことありませんね」
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# by lofibox2 | 2006-10-06 17:08 | いつもの。

略して。

 アタクシも人伝に聞いただけなんですけれどもね、ええ、なんでも「あらどせんき」ってえのが、巷では流行っているらしいですな。

 いや、アタクシも内容まではね、知らないんですがね。まあ、区切ってみるに、「あら」ってえのはまあ、ありますな。ええ、魚のあらで。「あらど」だ、「あらどせ」だ、ちょっと聞いたことがないですからねぇ。

 しかしそうすると、「どせんき」ってのがこれ、わからんですな。まったくもって聞き覚えがない。もしかすると、人の名前かもわかりませんが。お知りあいにいませんか。どせんきさん。いない。そうですか。ふうむ。

 いやいや、いけませんな。こういうのはね、気になるとなかなか寝付けない。いらいらしてしまう。え?なんだいそんなことで、って?あーら、どうせアタシは短気ですよ。
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# by lofibox2 | 2006-09-29 18:41 | いつもの。

「なにかの固形物」

 あんた、ちょっとあたいが余所見をしている間に、住民票を水に浸して。ほんと、とんだいたずらね。いたずらな口付けをね、フランス人はベーゼとジュデームの狭間で交わすのだけれども、あんたにはそうね、コラーゲンが足りないわ。

 ほら、早く印鑑を持ってらっしゃいな。住民票がね、取れないでしょう。なに、朱肉がないって?しょうがない子だねえ。ほら、あたいと印鑑をベーゼとジュデームの狭間にセットしな。そう。よし。これでいいわ。乾かない内にほら、早く捺印なさい。

 よくわかったでしょう。お化粧はね、濃いほうがいいの。いざってときにね、役に立つから。住民票、取れたみたいね。じゃあ、それ持って。ほら、行くよ。もたもたしないの。

 あんたはちょくちょく保湿しないとね。ただでさえ、コラーゲンが足らないんだから。乾かないようにね、気をつけるんだよ。
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# by lofibox2 | 2006-09-08 18:57 | いつもの。

「クマも熊。」

 いやあ、今そこの角でばばあ供がくっちゃべってるの、ひょいと盗み聞きしたんだけどもね、あんた、アライグマにシャンプーさせてるんだってね。どうだいその、やっぱり達者に洗い上げるもんなのかい。

 はあ、爪が時々ささって痛い。そりゃあ困ったもんだね。だいたい何でまたそのアライグマは、あんたの頭なんかシャンプーしてくれるようになったんだい。へえ、アライグマはうどんが好き。そりゃあ初耳だ。アライグマってのはあんた、うどんが好きだってのかい。ははあ、それで分かった。あんた昔から、うどんを打つのが上手だったものなあ。ちょっとしたお祭りなんかにゃ、ひっぱりだこの腕前で。

 結局それで、やっぱり気持ちはいいんだ。なるほどねえ。しかしまあ、アライグマってなあ名前だからって、シャンプーが上手なんて話はそりゃあ、いかにも出来すぎてやしないかい。どうもにわかには信じられねえなあ。あんたがほれ、嘘ぶいてるだけかもしれねえ。

 なに、試してみるかってかい?そうさなあ、どうしてもってなら、試してみるのもまあ、やぶさかじゃあねえがな。ほお、早速これから。なにかい、そのアライグマってのは、時間は選らばねえのかい。いつでもいい。そうかいそうかい、なら早速、洗ってもらおうかね。

 へっへっへっ。しめたしめたよしめこのうさぎと。アライグマにシャンプーしてもらうってなあ、なかなか体験出来るこっちゃねえからな。見事にひっかかってくれちゃって。へっへっへ。

 おっ、この部屋にアライグマがいるのかい。じゃあちょいと邪魔するよ。



 あ、ねえねえ、きいたかい?まただってさ。なに、またかい?そうそう、またなのよ。こう続くと不気味ねえ。また橋の下かい。やっぱり頭を切り裂かれて。はあ、ほんとに物騒ねえ。夜もおちおち眠れやしないわ。
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# by lofibox2 | 2006-09-06 11:17 | いつもの。

「カズ」

 だいたいチューペットを尻から吸うなんてのは、この文明社会の近代じゃあいかにもファンタジックで、頭がおかしい行為に思えたもんなんですよ。それがね、こーんなムーブメントになったってのは、あのなんとかって男の仕業でして。

 ほれ、あのほら、えー。なんとかって男ですよ。あぁまあまあ、そのうち思いだしますわな。

 魚とひと口に申しましても、あの、アラってな部分がありますな。あれが閉店前のスーパーマーケットなんかに行くとえらく安いもんで、まあポケットの砂利銭程度で鍋がいっぱいになるんですけれども、あのなんとかって男がよくね。食べてましたよ。でまぁ、それに必ず下仁田の葱を放り込むんですがね。下仁田の葱ってなそりゃもうふといふといもんでして、それがいわゆる、鉄砲葱になるんですな。それで喉をぴゅーっと火傷するもんだから、慌ててチューペットを尻から吸った訳です。口のところをぐいぐいと噛み切るのもまどろっこしいってな具合で、まー、えらいものぐさな話ですけれども。

 ええ、それがね、あー、なんとかって男なんへふがね。ふむ。ちょいと、ちり紙を頂けますかな。

 びーむっ。ふむ。まあ、なんですな。喉の火傷がどうこうなんてくっちゃべったもんだから、喉に何かこう、憑いたのかもわかりませんな。なかなかすっと出てこない。

 あのなんとかって男は長屋住まいでしてな、隣に住んどりましたあの娘、お千代ちゃんと言いましたかな。あの娘なんかは、そのなんとかって男の事をえらい好いておりまして。カズさんカズさんなんてな具合で呼びつけてまあ、傍から見ると少々なれなれしいんじゃないのってな具合でしたけれどもね。あれがもう少し好色ならね、どうにかなったんでしょうけれども。まー甲斐性がないと言いますか、堅物でございますから。お得意の鼠を捕まえる罠を作るようには、いかなかったようですわな。

 あー、しかし本当に、なんとかって男なんですがね。名前がね、どーにも出てきませんわ。いやいやまったく、面目ない。明日になればね、喉の方の憑き物も降りてくると思いますんで、そしたらね、こう、すっと出てくると思いますんで。少々ね、お待ち頂いて。ええ、また明日、伺いますよ。じゃ、陽も落ちてきましたんでね、そろそろお暇いたしましょうかね。

 え、晩飯を一緒に。いやいやそんな、ご馳走になります。
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# by lofibox2 | 2006-09-04 18:21 | Master of Epic

注意書き

※冷蔵庫でよく冷えたジェット・リーは、いっぺんに食べるとお腹を壊す恐れがありますので、ゆっくりとお召し上がりください。また高温の場所に保存すると破裂する恐れがありますが、一時的なものなので品質には問題ありません。(効果効能には個人差があります)
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# by lofibox2 | 2006-03-28 19:29 | Master of Epic

高度経済成長期

 「いいかい、エイシス・ケイブ行きの列車は、3番線で乗換えだぞ」

 そう何度も確認したのに、みゅぽ子は今、イリーナ・スルツカヤの生家で晩御飯を頂いているらしい。僕は急いで車を走らせた。


 酷い時代だった。苦し紛れのきゅうこうカードはピンゾロで2マスしか進めない。そんな桃鉄的な思考が頭を駆け巡る人生はまさに劇場。そして詩人は退場。酔っぱらい参上に若者は激昂する。

 イクシオンはチキンが好きで、タルタロッサはフィッシュ&チップスを好む英国紳士なのだから、いざこざが起こるのも無理はない。唯一の絶対神、みつまジャパンも断続的なこむら返りに悩まされている始末。そしてこんな憂うべき状況を尻目に贅の限りを尽くす皇帝カズは、いまだに平井堅を体操のお兄さんだと思っていた。


 スラムの外れに生まれたみゅぽ子の母は、火星人の足を切り取った物を束ねてひっくり返し、イソギンチャクを作るというアナクロな内職をしながらギリギリの生活を送っていた。

 空豆を空に投げ、枝豆を枝に貼り付け、グリーンピースには…、Vサイン。みゅぽ子の父はそれに輪をかけた几帳面なマメ男で、毎朝みゅぽ子の指を数えては、「よし、今日も5本ある。」とつぶやくのが日課であったらしい。みゅぽ子もそれを喜んでいた。

 最も、母はそんな彼の行動に苛立ちを覚えていた訳だが…。



 …みゅぽ子は、イリーナ・スルツカヤ家で出されたボルシチがたいそう気に入ったらしく、なんども、なんども、ピロシキに付けては口に放り込んでいる。そんなみゅぽ子を見ていると、最近水切れが悪くなった二層式洗濯機の脱水部分のことが、トラウマのように頭から離れない。


 そして今、プロパンガスの衰退に伴い、全自動洗濯機時代の幕が開ける。
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# by lofibox2 | 2006-03-17 12:09 | いつもの。

修造魂




 アイツの名前はNIKEYとか言ったか。このPAULの脳裏に多少の傷を植えつけて、「北へ向う」とだけ言い残し、去っていった・・・。そう、あの男の名前が確かそうだ。


 人間の顔に猛牛の胴体、鳥の羽と松岡修造の足を持ったアイツは、この町じゃちょっとした人気者だったけど、南国暮らしがもたらす独特のバーベキュー文化にほとほと嫌気がさしていたんだと思う。社交的でなくては生きていけない。それがバーベキュー文化なんだ。

 そう、人気者ではあったけど、アイツ自身は人間嫌いだったんだよ。



 誰もアイツの苦しみを理解してはいなかった。外では皆からの人気に答えようと笑顔を振りまいていたけど、アイツは家の中じゃサイダーの炭酸が全てなくなるまで、その泡をずっと見つめてるようなヤツだったんだ。

 その炭酸の抜けきったサイダーはアイツなりのカロリー制限で、それはアイツが反面教師と仰ぐ曙太郎の、格闘技に出てはマットに沈むわりにバラエティの騎馬戦に出ると芸人相手に睨み散らして暴れる姿がやるせなくて。ただやるせなくて。

 そうだ、確かアイツは酷く落胆していたんだ。「そんなヨコヅナは見たくない」って、自分のTシャツに描いていたっけ・・・。




 それから数年後の事だ。このPAULの元に一通の手紙が届いたのは。

 (NIKEYがイタリアで見つかった)


 イタリア?何故イタリアに・・・。

 居ても立っても居られず、翌日私は自転車にまたがった。どこへでも行ける気がした。



 NIKEYはイタリア北西部、フランスとの国境の傍にある町の公園でピロシキにくるまって寝ていた。私はその状況をにわかには受け入れられなかったが、「布団を食べながら生活する」というのはなかなか合理的で良いのではないか、と少し関心しかけて止めた。


 「おい、NIKEY。私が解るか。PAULだ。いったい何をやってるんだ。こんな、ピロシキなんかにくるまって。まぁ、北へ行ったのは確かのようだが。」
 
 「あぁ、アンタはそうだ、PAULさんじゃないか。」
 
 「そうだ、PAULだ。いったい何故こんなところにいるんだ。ここで何をしているんだ。」


 「それが・・・。北へ行ったまでは良かったんだけど、数ヶ月前からこの足が、僕の意思とは無関係に動くようになってしまったんだ。そして気が付いたらこの町に来ていたんだよ。」

 「なんだって? それはいったいどういう・・・    ま、まさか。」


 「そう・・・ あれだよ。」



 スッとNIKEYが指をさしたのは、この町の看板だった。







 【 トリノへようこそ 】
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# by lofibox2 | 2006-03-13 17:56 | Master of Epic